はじめに

2003年2月1日、下記発足メンバ/企業は、日本におけるアジャイルプロセスの普及/推進、情報交換などを目的とし、「アジャイルプロセス協議会」を発足致します。

ソフトウェア開発における最大の課題は、開発期間の短縮化、低コスト化、そして目まぐるしく変化するユーザニーズやビジネスニーズへの柔軟で迅速な対応で す。これらを解決する手法として現在、エクストリーム・プログラミング(XP)を始めとする「アジャイルプロセス」に注目が集まっています。

「アジャイルプロセス」とは、特定の開発手法を指す言葉ではありません。 「アジャイル(迅速/俊敏)な」とはつまり、良いものを手早く無駄なく作ることです。「アジャイルプロセス」という言葉は、アジャイルにソフトウェアを開 発することを可能にするさまざまな手法全体を指して使われています。XPを始め、クリスタル、FDD、アダプティブソフトウェア開発、スクラム、 DSDM、達人プログラマ、Executable UML(MDA)などが含まれます。

昨年9月には、「エクストリーム・プログラミング&アジャイル開発プロセスセミナー」と題し、一昨年に引き続き3回目の来日となったXP提唱者ケント・ ベック氏と、初来日となったクリスタル手法の提唱者アリスター・コーバーン氏を招待して、「アジャイルプロセス」をテーマにした日本で初めての本格的なセミナーを開催しました。そして、この度ついに本協議会を発足することに致しました。

Ken Schwaber 氏からのコメント

I am delighted to welcome the Agile Process Association in Japan to the worldwide community of agile organizations and practicioneers. It is quite fitting given the origins of Scrum in the seminal paper, "The New New Product Development Game" by Hirotaka Takeuchi and Ikujiro Nonaka in the Harvard Business Review of January 1986, as well as the intellectual and practical roots of agile processes in lean manufacturing as implemented by Taiichi Ohno at Toyota. We in the Agile Alliance are pleased to notice your emergence and offer our joyous support.

Ken Schwaber

Chair of the Board of Directors, Agile Alliance

訳:全世界におけるアジャイルの組織と実践者のコミュニティに、 日本のアジャイルプロセス協議会を迎えることを光栄に思います。 日本においてアジャイルの活動が行われることは、1986年1月の Harvard Business Review で竹内弘高氏と野中郁次郎氏が発表した 「The New New Product Development Game」というセミナー資料が スクラムの起源となった点からも、とてもふさわしいと思います。 また、トヨタの大野耐一氏によって実践されたかんばん生産方式はアジャイルプロセスの知識面および実用面の源となっています。 アジャイルアライアンスの全メンバーがアジャイルプロセス協議会 の発足を歓迎し、喜んでサポートしていきます。

Ken Schwaber

アジャイルアライアンス理事会長